皆さんこんにちは。ショートステイさくらの里の田尻です。
いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。
1年半前、ショートステイさくらの里から天国へ旅立ったT様(89歳女性)。
歩くことは出来ず、食事も介助が必要。
不自由な体でありながら、会話をすればとてつもなく面白い方で、どんな言葉がでてくるか、スタッフは毎日楽しみにしていたものでした(認知症でもありました)。
ある日、T様(以下、T)「ちょっと~来てくれんね~」と居室から呼ぶ声。
スタッフ(以下、ス)「どうしましたか?」
T「あんた、豚肉ば100g買うて来てくれんね」
ス「豚肉?どうします?」
T「“ちゃんぽん(*)”ば作っとさ」
ス「わかりました、買いに行ってきますね」
と返事をして、ひとまず安心していただき、部屋を出ようとした瞬間、
T「ここに2ドルあるけんさ~」
(心の中)「はぁ~?2ドル??ですって?!」
振り返ると、その手に握り締めていたのは チラシで折った四角いごみ入れをたたんだもの!
確かに!
ドル紙幣と同じくらいの大きさかも、しかも2枚。すばらしい。
この日、笑いすぎて、腹筋を鍛えたスタッフ4名。
ある日。
T「晩御飯ばつくらんばけん、かんぼこば買うて来てくれんね」
今日も、ちゃんぽんを作りたいのだろうか…?
ス「今から、買い物行ってきますね」
T「ありがとう」…数秒後「ついて行かんでよかね?」
ついて行くのは不可能と考えたため、笑顔で、
ス「大丈夫、ひとりでいけますよ」
T「そうね、気をつけていかんばよ~」
やさしいお気遣い、ありがとうございます。
*“ちゃんぽん”それは、中華スープに麺とキャベツ・モヤシなどたっぷりの野菜と・豚肉・かまぼこ・いかetc…が入った長崎県民のソウル麺フードである。
また別のある日。
T「はしごば持ってきてくれんね~」
ス「はしご?どうしますか~?」
T「ここから降りたかとさ~」
そこは、床上40cmほどのベッドの上である。
なんという発想!
自分で降りたくても降りられないから、はしごが必要だ!という発想なのでしょうね。
標準語で“○○を~”と言うのが、長崎では“○○ば~”となります。
あえて長崎弁のまま、文にしました。
これからも“楽しむ介護”が実践できるように、取り組んでまいります。